子犬はだいたい2週齢頃から、兄弟たちとわいわい戯れるようになります。ただ遊んでいるだけのように見えるかもしれませんが、この幼い頃の犬同士の遊びは、子犬の社会性の発達にとって極めて重要です。このように幼い頃から一緒に遊ぶことは、子犬にコミュニケーションと自制心を教えてくれます。兄弟の誰かを強く噛みすぎたら、その子にはもう一緒に遊んでもらえなくなる、それ以上強く噛んではいけないということを学ぶのです。
子犬は、月日を重ねて成長しても、遊ぶことが大好きです。犬には犬のお友達を作る機会を作りましょう。ただし犬同士にも相性があり、個々の性格もありますから慎重さは忘れないように。愛犬が他の犬に攻撃的になりすぎることなく、犬らしく遊びを楽しんでいることを確認し監督する責任は飼い主にあります。
【犬同士の遊びの準備】
子犬たちが一緒に遊べる準備が整ったときに、互いに発信し合うシグナルがあります。
「犬のおじぎ(プレイバウ)」をする:仲間に向かって、犬が前足を地面に着け、お尻を高く持ち上げているところを目にしたことがあると思います。元気いっぱいで遊ぶ準備がばっちり整っていることを示すために、おじぎの態勢のまま前足で地面をたたくこともあります。
代わる代わる交替して遊ぶ:犬は時々鬼ごっこのような遊びをすることがありますが、そのときは代わる代わる互いを追いかけます。
微笑む:愛犬が嬉しそうにしているとき、飼い主にはそれが分かると思います。実際、犬がドッグランで犬友達と一緒に走り回っているとき、まるでニコニコ笑っているように見えることってありますよね。
大げさに唸るまたは吠える:子犬は「遊びで唸る」ものですが、成犬になってもこの子犬の習性が抜けず、遊びが楽しすぎて思わず唸ったり吠えたりする子もいます。声だけ聴くとちょっと怖そうに思えるかもしれませんが、その他の行動が、犬同士が単にじゃれているだけということが分かれば、そこまで心配する必要はないでしょう。ただし、興奮しすぎていることも考えられるので、状況を見ながら一旦遊びを中断して落ち着かせるとよいでしょう。
遊びで噛む:犬同士が遊んでいるときにじゃれて噛むことがあります。
“噛む”という行為は、飼い主にとっては否定的にとらえられがちですが、このような遊びの場合、一方の犬が服従して仰向けになり、もう一方の犬が相手の耳や鼻を甘噛みするというのは珍しいことではありません。双方の犬が歯をむき出したりすることもありますが、攻撃的な唸り声や、キャンキャン鳴く、あるいはクンクン鳴いたりしていないようなら、おそらく犬たちは遊びに夢中になっているだけだと思われます。一方の犬が遊ぶ気分ではなく、むしろ放っておいてほしいように見えるときは、しばらく双方を引き離しておくほうがよいでしょう。このような状況は、ゆっくり休みたいと思っている年長の犬を子犬が遊びに誘おうとしたときによく見られる光景です